『同志少女よ敵を撃て』を読んで

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ミハイルひどすぎ

最終場面ということもあって、何よりも印象的だったのは、ミハイルの本性だった。

ミハイルは冒頭から優しい好青年として登場するが、終盤は、ただ単に周りの目を気にして嫌われないように行動しているだけだったことが判明した。

もちろん、社会性の高さの表れでもあり、リーダーとして周囲から慕われている様子はとても羨ましいが、だからと言って、フィーマに嘘をついて行ったことは誉められるものではない。

人を野生に目覚めさせる、これが戦争というものなのだろうか。

生きがいの大切さ

最高位の女性スナイパーがフィーマに教えた、戦後の生き方として、「生きがいと愛する人を見つけなさい」があった。

おそらく、生きがいと愛について500ページも割いて説いたのが、本著作なのだ。

ミハイルたち兵隊さんは、帰る場所や愛する人を亡くしたりして戦争に駆り出されている。

そんな精神的な支えを失った状態に加え、数多の死を自分らがもたらしている状況でなおも生き続けるためには、戦利品というものが必要だった。戦利品が生きがい。

フィーマが属した女性部隊も、それぞれの目的のために戦い、生きていた。

序盤で死んでしまったアヤも、狩りという自由の境地で生きがいを得て物語から退場。

名前は忘れたが、女優志望だった子も、いつの間にかフィーマたちを生きがいにして、彼女ら・彼らを守るために死んだ。

トラウマ克服の難しさ

戦後は、多くの戦争関係者がPTSDを患ったというが、本当にとんでもない話だ。

望まないことに駆り出され、夢・未来を奪われ、平和を奪われ、傷だけ残される。

フィーマたちが軍資金をしっかりもらっていることには安心したが、「細々と」という表現は引っかかる。

あんなに頑張ってきた人たちの報酬としては少なすぎるのは。

でも、たくさんの人を殺めてしまったというのも事実だし、必要最低限度の生活としては十分なのかも。

無関係の人を巻き込むことの悲惨さをフィーマたちの物語で知った。

※写真は、https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.hayakawa-online.co.jp%2Fshopdetail%2F000000014980%2F&psig=AOvVaw3Qk7vLwP0AwReWZ0dlNg6K&ust=1668012818054000&source=images&cd=vfe&ved=0CA0QjRxqFwoTCLj7qI-Gn_sCFQAAAAAdAAAAABAD より

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