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乳幼児と情報機器

成長・発達
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情報機器の手段的活用は子どもに好影響

デジタルメディアを手段として上手に活用することは、子どもの発達に良い影響を与える。

子どもの社会性の発達を阻害しないよう、デジタルメディアと上手に付き合うことが大切だ。

また、子どもの時期は生涯の生活習慣を形成し、集団に属するための基本的な社会性を身につける非常に重要な時期に相当する。

よって、その目的を意識したデジタルメディアの使用も必要だ。

情報機器接触のメリット

子どものデジタルメディアへの接触のメリットは、それを通じた認知的発達と社会的スキルの発達促進だと言えよう。

なぜなら、上手に活用すれば、教育手段として用いることができるからだ。

例えば、動画を使う。

子どもに歯磨きや手洗いなどの清潔行動を日常的に目に触れさせることによって実践での抵抗を無くすことができたり、就学前の五十音や時計の読み方などの学習に活用できたりする。

ここで重要なことは、内容のフィルタリングである。子どもの視聴する内容の選択が、子どもらしい態度や言葉遣いを身につけさせるからだ。

情報機器接触のデメリット

一方、デメリットは、対人的・双方向的コミュニケーションの不足による社会性の発達遅延であると言えよう。

なぜなら、デジタルメディアは一方通行である場合が多く、社会性を身につけるために必要な対人的・双方向的コミュニケーションを制約するからだ。

このデメリットを防止するためには、親が子どもに積極的なアプローチをしていく必要がある。

例えば、子どもと一緒にテレビを見たり、SNSで話題となっていることで会話をしたりする。

手段として使うことが大切

このように、デジタルメディアを目的ではなく手段として用いること

それが、前操作的段階における子どもの能力の練習や、エリクソンの発達段階である基本的信頼と希望の獲得に役立つに違いない。

ところが、子どもと一緒にデジタルメディアを見られない場合がある。

その場合には、せめて養育者は教育的な内容を見せて、子どもの認知的発達と社会的スキルの発達を促す働きかけを担わなければならないであろう。

このことは、多くののデジタルメディアに関して同様だ。

結論

以上を踏まえると、養育者の目的あるデジタルメディアの使用が、子どもの発達に良い影響を与えることがわかった。

養育者には社会生活を営むために必要な子どもの発達に対する意識を強く求めたい。

資料からの読み取り

親のフィルタリングとテレビ接触時間
  • 親が選択フィルタリングを行うとき、選択フィルタリングを行わないときより、乳幼児のテレビ接触時間は短くなる。
  • 親が選択フィルタリング低群であるときよりも、親が選択フィルタリング高群であるときの方が、乳幼児のテレビ接触時間は短い
  • 親が選択フィルタリング高群であるとき、父親より母親が選択フィルタリング高群であるときの方が、乳幼児のテレビ接触時間は短い
  • 逆に親が選択フィルタリング低群であるとき、父親より母親が選択フィルタリング低群であるときの方が、乳幼児のテレビ接触時間は長い
テレビ接触時間の長さによる発達への影響

テレビ接触時間が長いと、「対人的な双方向コミュニケーションの経験が制約されやすい」。一方で、「その番組内容が教育的な内容であれば、幼児の認知的発達と社会的スキルの発達が促進される可能性がある」と、Schmidt & Andersonが2007年の論文で述べている。

Schmidt & Anderson

また、子どものテレビ接触をめぐる親子関係に関するレポートで酒井厚は次のように述べている。

母親の「TVスーパービジョン」の多さが子どものバラエティー番組への接触時間の低さにつながり、「TVコー・ビューイング」の多さが子どもの教育番組接触時間の多さにつながっている。

(中略)

フィルタリング行動が統制的であることが強すぎれば、子どもとテレビを一緒に見るという行為自体が成立しない親子関係になることも予想され、その結果、親自身が子どもに見て欲しいと望んでいるテレビ接触を促す機会を減じてしまうことも予想される。

酒井厚

*TVスーパービジョン:統制するほどではないが、子どものテレビ接触の状態に応じて注意する
*TVコー・ビューイング:見ているテレビ内容を子どもと話す、子どもと一緒にテレビを見る、などの子どものテレビ接触を気にかけ寄り添う態度

子どものテレビ視聴のメリット・デメリット

以上のことから、子どもがテレビを視聴することのメリットは、認知的発達と社会的スキルの発達が促進されることだと言える。

一方、デメリットは、対人的・双方向的コミュニケーションの不足による社会性の発達の遅延であると言える。

したがって、私たちが取るべき態度について、次のことが言えるだろう。

  • 子どもと一緒にテレビを見て話し合うことによって、テレビ視聴によって制約されるはずだった対人的な双方向コミュニケーション(社会性を身につけるため)の経験を補うこと
  • もし、子どもと一緒にテレビを見れない場合には、せめて教育的内容の番組を見せて、子どもの認知的発達と社会的スキルの発達を促進すること

親は無意識に以上の点を認識し、選択フィルタリングを行ったり、視聴時間を短縮している可能性があるに思える。

乳幼児のテレビ視聴に関する親の関わり
(引用:https://www.nhk.or.jp/bunken/research/category/bangumi_kodomo/pdf/kodomo101207.pdf
  • 0歳時の視聴共有時間は、父親より母親と一緒のときの方が長い
  • 父親より母親の方が、幼児に選択フィリタリングを早期に開始する
  • 母親より父親の方が、幼児に見せてはいけない番組を決めていない。
  • 母親より父親の方が、食事中にテレビをつけていることが多い。
  • 父親と母親はともに、幼児と一緒にテレビを見る時間と、見ているテレビの内容について話すことが多くなっている。
  • 幼児と多くの時間を過ごす母親の方が、父親よりも子どものテレビ視聴に関する意識が高い。
共有という関わりについて

幼児と一緒にテレビを見たり、その内容について話したりすることは、幼児の発達に役立つ。

例えば、以下の例がある。

  • 前操作的段階(ピアジェの認知発達理論)
  • 基本的信頼(希望)の獲得(エリクソンの発達課題)
選択という関わりについて

親が幼児に見せていい番組を選択することにより、子どもらしい態度や言葉遣いを身につけさせることができる。

また、食事中にテレビをつけないことは、幼児が食事に集中できる環境を整えることになる。

そのため、幼児は幼児期に必要な栄養を摂取できるだけでなく、咀嚼機能や消化運動などによっても身体機能を発達させることができる。

情報通信機器の世帯保有率の推移
(引用:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/pdf/index.html
  • スマホの世帯保有率が大きく上昇し、近年の有効回収数世帯は8割に近い
  • タブレットの世帯保有率が上昇し、近年の有効回収数世帯は4割ほど
  • ここ十数年、モバイル端末の世帯保有率は有効回収世帯の9割を越していて、世帯保有率の変化が小さい
  • 近年のパソコンの世帯保有率は7割ほどとなり、減少傾向にある
  • ここ十数年、世帯保有率の低い情報通信機器としては、インターネットに接続できる家庭用テレビゲーム、インターネットに接続できる携帯型音楽プレイヤー、その他インターネットに接続できる家電(スマート家電)等である。

このように、スマートに持ち歩けて、いつでも、すぐに使用可能な端末を保有する世帯が近年増加していることがわかる。

これらの情報機器の使用時間による幼児の発達への影響は、テレビの接触時間と同様である。

つまり、対人的な双方向コミュニケーションの経験が制約されやすいが、それが教育的な内容であれば、幼児の認知的発達と社会的スキルの発達に役立つということだ。

情報機器使用に関する養育者の気がかり
引用:https://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=5268

上位3項目は上から順に、以下の項目が挙がっている。

  1. 目や健康に悪い
  2. 夢中になり過ぎる
  3. 長時間の視聴や使用が続く

また、下位5項目は下から順に、以下の項目が挙がっている。

  1. 体を動かす遊びとのバランス
  2. 行動や言葉づかいが乱れる
  3. 生活が乱れる
  4. 親子のコミュニケーションが減る
  5. 受動的になる
情報機器の使用に関する養育者の視点のずれ

養育者が気がかりに感じていることの上位に、「目や健康に悪い」「夢中になり過ぎる」「長時間の視聴や使用が続く」などと挙がっている。その視点は間違いなく大切だ。

しかし、子どもの発達に関する視点も忘れないでほしい。

この時期は、子どもが生涯の生活習慣を形成し、集団に属するための基本的な社会性を身につける非常に重要な時期に相当する。

よって、子どもに社会性を培う良い生活リズム・生活習慣を身につけさせることは言うまでもなく、子供が社会性を培えるように働きかけたり、身体の発達を促したり、などという視点があることは重要だ。養育者には、社会生活を営むために必要な子どもの発達への意識を強く求めたい。それらの視点は「目や健康に悪い」「夢中になり過ぎる」「長時間の視聴や使用が続く」と言う視点よりも大切なはずだ。

乳幼児の発達

子どもは人間らしい運動や言語、あるいは、生活習慣や社会性、などを手に入れるため、段階を踏んで人間の生活に必要なことを獲得していく。

1歳半頃
  • 歩行の確立:前方だけでなく、横や後ろへも歩行可能
  • 手すりを持って階段を1段ずつ足を揃えて上り下りする
  • 積み木を3つ重ねる
  • 一人遊び〜傍観の時期
  • 感覚運動的段階(舐める、触れる、叩く、口に入れる)
  • 感覚運動遊び(発声、水遊び)〜象徴遊び(ごっこ遊び)
  • 単語中心〜二語文の時期
  • 「どれ?」と聞かれて指差しで答える
  • 時間/空間の概念はまだない
一人遊びとは

その子が他の子供の近くで遊んでいていも交渉が一切なく、自分の世界だけで成立している遊びのこと。

傍観とは

他の子供が遊んでいるのを傍で見て時々話しかけるが、その中に加わることがない状態。

感覚運動的段階とは

感覚器や身体活動を通じて外界を認知する段階のこと。

象徴遊びは

表象機能(目の前にないものを再現)と象徴機能(あるものを他のもので表す)によるもの。

2歳半頃
  • 転ぶことなく上手に歩ける
  • 片足を挙げてバランスをとる
  • 足を交互に出して階段を上り、下りる時は一段ずつ足を揃えて下りる
  • 瓶の蓋などの開閉をする
  • 絵本のページをめくる
  • 絵本の筋がわかってくる
  • 粘土をちぎる、丸める
  • ハサミで一回切りする
  • 前操作的段階(表象、自己中心性、アニミズム、人工主義、実念論)
  • 傍観〜並行遊び(3歳頃までの主要な遊び)
  • 二語〜多語文が言える
  • 質問を繰り返し、確認を求める
  • 象徴遊び、構成遊び(積み木、お絵かき)、受容遊び(話を聞く、ビデオを見る)
  • 「じゅんばん」「あとでね」「まってね」
傍観とは

他の子供が遊んでいるのを傍で見て時々話しかけるが、その中に加わることがない状態。

象徴遊びは

表象機能(目の前にないものを再現)と象徴機能(あるものを他のもので表す)によるもの。

並行遊びとは

3歳頃までの主要な遊びである。互いに同じような内容で遊んでいるが、相互のやりとりはなく、関心も持たない。
Ex)おもちゃの貸し借りがない

前操作的段階とは

記憶、知識、イメージなどを使って頭の中で考えたこと(表象:目の前にそのものがなくても、頭の中でイメージできる能力)に基づいて行動する段階である。
思考の特徴としては、自己中心性、空想、アニミズム、人工主義、実念論がある。

3歳半頃
  • 走れる
  • ケンケンができる
  • 三輪車に乗れる
  • 円を模写する
  • 折り紙の簡単な折り合わせができる
  • ハサミで直線切りができる
  • 前操作的段階(表象、自己中心性、アニミズム、人工主義、実念論)
  • 連合遊び(並行遊びの次の段階)
  • 身近な人物の名称を間違えないで言える(命名機能)
  • 顔の部分の名称が言える(命名機能)
  • 助詞や助動詞を使って自分の経験や感じたことを羅列的に話す(伝達機能)
  • 象徴遊び、構成遊び(積み木、お絵かき)、受容遊び(話を聞く、ビデオを見る)
  • 「昨日-今日」「今日-明日」の区別と関連が次第にわかってくる
  • 「前-後」「右-左」などの反対(対極)に気付き始める(対の概念)
前操作的段階とは

記憶、知識、イメージなどを使って頭の中で考えたこと(表象:目の前にそのものがなくても、頭の中でイメージできる能力)に基づいて行動する段階である。
思考の特徴としては、自己中心性、空想、アニミズム、人工主義、実念論がある。

並行遊びとは

3歳頃までの主要な遊びである。互いに同じような内容で遊んでいるが、相互のやりとりはなく、関心も持たない。
Ex)おもちゃの貸し借りがない

連合遊びとは

他の子供と一緒に同じ遊びを展開し、玩具の貸し借りなどのやりとりもあるが、役割分担やルールは不明瞭な遊びのこと。

象徴遊びは

表象機能(目の前にないものを再現)と象徴機能(あるものを他のもので表す)によるもの。

4歳頃
  • リズムに合わせてケンケンできる
  • スキップができる
  • 利き腕を使って上からボールを投げることができる
  • 四角を模写する
  • 簡単な人がかける
  • 指先を協応させてきちんと折り紙を合わせ折りできる
  • ハサミで円を切ることができる
  • 前操作的段階(表象、自己中心性、アニミズム、人工主義、実念論)
  • 連合遊び〜協同遊び(4歳以降)
  • 大人の話はほとんど理解できる
  • 話し言葉の一応の完成
  • 象徴遊び、構成遊び(積み木、お絵かき)、受容遊び(話を聞く、ビデオを見る)
  • 「前-後」「右-左」などの区別と関連が確立
  • 朝、昼、夜がわかる
前操作的段階とは

記憶、知識、イメージなどを使って頭の中で考えたこと(表象:目の前にそのものがなくても、頭の中でイメージできる能力)に基づいて行動する段階である。
思考の特徴としては、自己中心性、空想、アニミズム、人工主義、実念論がある。

連合遊びとは

他の子供と一緒に同じ遊びを展開し、玩具の貸し借りなどのやりとりもあるが、役割分担やルールは不明瞭な遊びのこと。

協同遊びとは

4歳以降、特に5歳でよくする遊び。共通の目的に向けて集団を形成し、リーダーの存在や役割分担がある。

象徴遊びは

表象機能(目の前にないものを再現)と象徴機能(あるものを他のもので表す)によるもの。

5歳頃
  • 協同遊びをよくする
  • 「昨日-今日-明日」の区別と関連が明確にわかる
  • 「大-中-小」がわかる(「中くらい」の概念:抽象的概念)
  • 季節や1日の時刻を区別できる
協同遊びとは

4歳以降、特に5歳でよくする遊び。共通の目的に向けて集団を形成し、リーダーの存在や役割分担がある。

幼児期の養育

  • トイレットトレーニング
  • 睡眠の世話
  • 清潔行動の世話
  • 栄養・食事の世話と教育
トイレットトレーニング

神経系と運動機能の発達によって、随意的に排泄できるようになる。

「一人でする」というのは、自分でトイレに行って、自分でパンツを脱いで、自分でおしっこをして、自分で流して、また自分でパンツを履く、そんなプロセスが必要です。

(中略)

本当の意味で「一人でする」ためには、まず、おしっこをある程度、溜めておくための膀胱が発達している必要があります。また、自分の意思でおしっこを我慢してトイレに行き、自分でパンツの脱ぎ着ができる、という心身の発達も必要です。

日本小児泌尿器科学会によれば、1歳頃になると、尿が溜まった感覚が分かるようになるそうです。

ただ、通常は2~3歳くらいまでは、尿意を感じたとたんに、反射的に膀胱が縮んで、勝手に尿が出てしまい、本人の意思では止めることができないそうです。

また排尿機能の発達には、かなりの個人差があります。

(中略)

始める年齢やタイミングにもよりますが、おおよそ3ヶ月~1年くらいかかる場合が多いようです。

https://www.tg-uchi.jp/topics/2468
必要な身体の発達

□ トイレまで自分で歩いて行ける
□ 便座やおまるにある程度の時間座っていられる
□ おしっこの間隔が2時間以上空く
 (お昼寝から起きたときにおしっこをしていない

https://www.tg-uchi.jp/topics/2468
必要な言葉の発達

1歳半〜2歳頃に発達する。

自分で便座に座る方法を教えるためにはコミュニケーション能力の発達が不可欠である。

□ 大人の簡単な指示が分かる、実行できる(あのおもちゃを取ってきて、など)
□ 大人の問いかけに、簡単な言葉で答えられる(ウン、イヤなど)
□ 自分の欲求を簡単な言葉や仕草で伝えられる

大人のマネをする「ごっこ遊び」が好きな時期に、大人がトイレに行くところを見せてあげられると、トイレトレーニングがスムーズに始められます。

https://www.tg-uchi.jp/topics/2468

<参考:https://www.tg-uchi.jp/topics/2468

睡眠の世話
  • 寝る前にトイレにいく習慣づけ
  • おやすみ前後の挨拶の習慣づけ
  • 昼と夜のけじめをつける
  • 規則正しい生活リズムを身につけさせる
  • 睡眠を阻害する因子を除去するなどの環境整備を行う
    (不安、興奮、寂しさ、痛み、暑い、眩しい、うるさいなど)
清潔行動の世話

清潔行動の自立は4歳頃である。清潔行動は主に以下を指す。

  • 歯磨き
  • 手洗い
  • 衣服の着脱

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