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青年期-自己同一性の確立が社会人への道-

成長・発達
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文献の紹介

<参考・引用文献>
ここでは3つの文献を使います。
こちらで説明していることよりもさらに深く説明していてわかりやすいですよ。

もっと詳しく知りたい方は次の本を読んでみてくださいね。

でも、上の文献の内容は少し難しいかも…
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青年期は大人になるための準備期間(モラトリアム)である

青年というと、10代の印象はありませんか。

それでいて、少年でもない大人な響きがありませんか。

それもそのはずです。

なぜなら、青年はまだ幼さを残した存在であると同時に、大人になろうとしてもがいている存在だからです。

つまり、青年期というのは、子どもと大人との間をさまよう、社会的・精神的に不安定な時期だといえるかもしれませんね。

成人期の第一段階にあたる

青年期は、学童期の次の段階であり、
成人期のひとつとして、第一段階にあたります。

そして、成人期の第一段階に位置すると同時に、
思春期とも重なります。

そういえば、近代以前の社会ではね、第二次性徴があらわれると通過儀礼がおこなれていたんだよ。こどもから大人になるための儀式なんだ。

でも、今はちがうよね。
高校の倫理で習ったけど、エリクソンは青年期を心理社会的モラトリアム(猶予期間)とよんでたんでしょ?

思春期は青年期前期にあたる

上田礼子著『生涯人間発達学』(2012)によれば、

思春期は成年前期にあたるようです。

およそ13際から成年後期までの移行期を指します。

では、それらの違いは何か。

簡単に言いますね。

思春期は、身体的・性的な発達の時期を指し、

青年期は、心理的・社会的な発達を指します。

何が発達するかで分類するようですね。

形式的操作の時期にもあたる

ピアジェの発達段階では、11~15、16歳は形式的操作の段階に当たります。

青年期にあたる年齢

諸説あり、発達の個人差も加わって、青年期にあたる年齢というのは厳密に決まっていません。

職業選択が自由になって、そのための知識技能を身につけるための学習期間が必要になったから、見習い期間が必要になったんでしょ?

そう。だから、青年期の期間は、学校制度や社会制度で変わるんだよ。

そのことを2つの文献から確認していきましょう。

上田礼子著『生涯人間発達学』から

まずは、こちらをご覧ください。

この図は上田礼子著『生涯人間発達学』(2012)から引用しました。

勝手ながら、大まかな枠を引かせていただきました。

緑で囲まれた部分は青年期を表します。
青で囲まれた部分は青年期に相当する時期の名称です。
赤の点線は、青年期のおおよその開始時点です。

ここからわかるように、青年期の始まる年齢には諸説あります。

諸説はあるけど、みんな似たような発達段階の区分をしているんだね

みたところ、12~19歳ころに開始するようですね。

また、青年期について同著作の174ページには次のようにあります。

平均的な青年期の開始は
女子の場合は10~12歳頃、
男子の場合は12~14歳頃であり、
その終わりは24~25歳頃とされる

(中略)

〜30歳になっても青年期にある者もある。

(中略)

・青年前期…12~13頃から14~15歳頃まで
・青年中期…15~16歳頃から18~19歳頃まで
・青年後期…19~20歳から成人まで
(わかりやすいようにするため引用文献とは表記がちがいます)

(中略)

・成人前期…18~30歳台
(わかりやすいようにするため引用文献とは表記がちがいます)

(中略)

特に高度に都市化された社会で青年期の期間は長くなる傾向にある。

上田礼子『生涯人間発達学 改訂版第2版増補版』2012,三輪書店,p.174

青年期のおわりが明確ではないですね。

医学書院『小児看護学総論 小児科臨床看護総論』から

つぎに、医学書院『小児看護学総論 小児科臨床看護総論』p.124をみましょう。

アメリカ思春期医学会からの資料ですが、ここでは5つに分けられています。

著作権に配慮しつつ、必要箇所だけ抜き出した引用をさせていただきますね。

・前思春期…思春期の変化に入る混沌とした不安定な時期。小学校の中学年から高学年にかけて

・思春期早期…第二次性徴の身体的変化が始まるころから、男子は精通を経験するころまで。女子は処刑が始まって1年程度。11~14歳ころ。

・思春期中期…性毛および外性器が成人型に成熟する頃までの期間で15~17歳頃。

・思春期後期…18~20歳くらいまで

・後思春期…成人に移行する時期。思春期の終わりは25歳までとしている。

奈良間美保『系統看護学講座 専門分野Ⅱ 小児看護学[1] 小児看護学概論 小児臨床看護総論』2020,医学書院,p124

アメリカ思春期医学会では、思春期をさらに細かく分けていますね。

思春期の始まりは第二次性徴による身体的変化の始まる頃からで、その終わりは20歳くらいまでとしています。

そして、成人に移行する時期として後思春期をあげているので、おそらくこれが青年期にあたるものと考えられます。

青年期では心身の発達と社会的自立が必要

以上のことを踏まえると、この時期には次の2点を行うこととになります。

・心身の発達
・社会的自立

発達課題は”自己同一性”確立(エリクソン)

フランスの画家ゴーギャンは

「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」

のなかで人間のあり方を時間の流れ(人生)とともに象徴的に示しています。

(矢内光一『高校倫理 新訂版』平成30,実教出版,p.8)

これらを明確にすることが同一性の確立です。

そして、青年期の発達課題は自己同一性の確立です。

どこへ行こうとしているのか、という方向が定まってきて、自分の生きる目標や生き方を決めるようになっていきます。

上田さんの言葉を借りれば、「経済的価値、道徳的価値、その他の価値基準が成立することによって、〜青年の望む価値の実現に持続的に着実に向かうことになる。」ということです。

それらができると、自己同一性が確立したことになります。

だから、この時期に友人がいる事は大切なことなんだ。
友人との関係を通して自分を知れるからね。

一方、その自己同一性がうまく確立されないと、モラトリアムから抜け出せないので

自分の存在を見出せず、将来の見通しも立たない

という状態におかれます。

これが同一性の拡散(混乱)です。

つまり、自分にしかできない仕事や役割があると、それに対する“忠誠”心が出るんですね。

ちょっと何を言っているか、意味がわからないわね。

つまり、進路を決定し、自分の将来の生き方を選び取ることが、青年期の重要な課題なんですよ。

なるほど。それで、自分の性格や個性、自分らしさを知ることが大切なんだね。

僕はね、そうやって自分を知るときに重要な役割を果たすのが、ピアジェの形式的操作と言う段階だと思うんだ。

形式的操作期によって自己同一性が確立する(ピアジェ)

ピアジェによれば、青年期の知的発達は形式的操作機の段階に入るといいます。

形式的操作の段階では、具体的事象に囚われず、頭の中だけで推論でき、目に見えない事象についても抽象的、論理的に思考できます。

上田さんの言葉を借りれば、

児童期の直感的・具体的思考から、直感的・抽象的思考えと発達していきます。

それまで外界に向けられていた知的な興味が、青年期には自分自身に向けられるようになります。

ここでまた上田さんの言葉を借りれば、

「自分自身を意識して内省的になり、自分自身を深く考え、自己概念や自我同一性を発達させることとな」ります。

そして、青年後期には自己同一性を確立して自らの生き方を選択するようになるのです。

だから、大学生時代などにインターンなどの社会経験を積むことは大切なのかもしれませんね。

参考:ハヴィガーストの発達段階

さきに述べた、エリクソンやピアジェの他にも、青年期の発達課題について述べている人はたくさんいます。

そのうちの1人がアメリカの教育学者ハヴィガーストです。

ハヴィガーストは青年期の発達課題について次のようなものをあげています。

①同世代の同性・異性の友人と洗練された人間関係をつくること。

②社会的な役割を理解すること。

③両親や他のおとなから情緒的に自立すること。

④経済的自立、職業選択や結婚、家庭生活のための準備をすること。

⑤社会的責任のある行動を求め、かつなしとげること。

⑥価値や倫理の体系を学習し、適切な科学的世界像を形成すること。

(矢内光一『高校倫理 新訂版』平成30,実教出版,p17)

これらは、一般的な大学生であれば、おおよそできているのではないでしょうか。

これらに不足があると、まだのびしろがあると言えると思います。

もし周りにそのようなモラトリアム人間がいらしたら、支えていくことも大切となるのでしょう。

まとめ

青春期は大人になるための準備期間です。

この時期に自分自身を深く考えることによって、経済的価値、道徳的価値、その他の価値基準、そして自己同一性を確立していきます。

そして、そのような心身の発達と社会的自立の過程を経て、青年は自らの生き方を選択していくのです。

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