今回ご紹介する本です。
この本は、戦時下の恋が目の前で展開されるようで、とてもきゅんとしますね。
私はこの本を数年前に読んだのですが、風景、色使い、場面展開、登場人物など、今でも鮮明に思い浮かびます。
それほど、内容が印象的な本です。
登場人物がみんな、本当に一生懸命にお仕事に取り組んでいて、憧れの感情さえ心に生じてしまいました。
自分も、使命感に駆られながら情熱をかけて取り組める、そんな天職を見つけたいものですね。
また、できる女性が社会進出していく過程も描かれていて、私は多少なりともこの本に勇気づけられましたね。
真面目に努力すれば、夢をかなえられるのかも、、、読んでいて、そんな思いがよぎるようです。
タイトルにも有りますが、この本は戦時下の恋の話です。
だから、私はこの本を読むとき、焼夷弾投下後の東京の町の様子が目に浮かぶようだったので、あまり想像しないようにしながら読みました。
トラウマになりそうですもん。
あまりにもリアルに描写されていたので、もしかしてノンフィクション?
そう思って本作品が着想を得たという「少女の友」の絵を検索したことも覚えていますね。
色使いがきれいで、描かれた少女は気品を感じさせました。
本当にすべてがとても魅力的なものでした。
以下、ネタバレを含む感想を書いていきます。
この絵に詩が組み合わされたのですから、心惹かれないものはいません。
ハツコは有賀主筆を何十年もの間慕っていて、その一途にため息がでます。
出征後に、初めて自分の気持ちに気付いた有賀主筆は本当に悲しい人だと思いました。
あれほど、もう少し早く気付いてさえいれば、2人の恋は実ったのにと思います。
きっと、距離が近すぎて分からなかったんだと思います。
実らない恋ほど応援したくなります。
2人が夫婦として生活を送る様子も見てみたかったです。
だから、有賀主筆には生きていて欲しいと思いました。
また、女学校を出ていることへの憧れと引き目を感じていたハツコが主筆として活躍するようになる過程は、私たちに夢を見させます。
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