発達理論を理解して自己実現を援助する-19才-

倫理的感受性
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患者さんに自分らしくいてもらうため

看護実践における発達理論理解の意義は
健康問題があることによって患者さんの発達が止まってしまうことが無いようにすることだと思います。

アセスメントで使う-援助方法の選択-

発達理論が具体的に用いられるのは看護過程の第一段階のアセスメントです。

看護過程は看護実践の手段ですが、そこでは人間を健康との関連で全体的に捉えるためにNANDA-1を使ったアセスメントの枠組みを使います。

その領域13が成長/発達です。

エリクソンの生涯発達理論で対象理解

ここで出てくるのがエリクソンの生涯発達理論です。

これは対象理解の際などにおいて使われます。

なぜなら、それを使うことによって人間を一方的でない側面から捉えることができるからです。

つまり、人間の発達を一生涯という長さで段階的に捉えることによって人間の発達を4つの側面の変化から総合的に捉えることができます。

この4つ変化とは身体的変化、経験に関わる年齢といった有益な数の変化精神的変化社会的変化のことです。

生涯発達理論を理解すると

・身体的変化
・数の変化
・精神的変化
・社会的変化

の4つの側面から患者さんを捉えられるようになる。

エリクソンの発達理論で学んだこと

次に、エリクソンの発達理論について、
私が学んだことを説明します。

この理論が示すことは2つあります。

人間は生涯をかけて段階的に8つの徳を獲得する

一つは人間の発達が大きく8段階に分けられていること、もう一つは人間がその各段階において人格的活力(徳)を獲得することによって段階的に発達していくことです。

人格的活力(徳)は全部で8つあり、人生周期の各段階の発達課題を達成することによって獲得されます。

そして、それぞれの各段階は前段階の発達段階を土台にします。

逆に言ってみれば、それは現段階の発達段階が達成されなければ次の発達段階に進めなくなるということです。

発達段階は社会の期待と個人の欲求に関係する

また、この発達段階というのは
各段階にある人に対して社会が期待する有り様であるだけでなく、
その段階にある個々人が抱く欲求にも関係しています。

発達段階理解による看護職の役割

以上のことから、看護職に求められる役割を一つ挙げることができます。

それは、患者が健康問題に阻害されて自分の発達段階を達成できず、身体的・社会的な質の変化、すなわち発達が止まってしまうことがないように支援することだと言えます。

なぜなら、これは私の解釈になりますが、発達しないということは2つの可能性を秘めているからです。

一つは日常生活あるいは社会に適応することを困難にするという可能性と、
もう一つは自分の欲求が満たせずに自信を喪失させて次へ進めなくなるという可能性です。

発達段階の活用例

看護職が発達段階の視点から対象を理解して役割を果たす例として、
過去の臨床心理学の講義で挙がった例を今から記述します。

例えば、小学生の患者が入院してきたとします。入院によって、この患者は学校で勉強して仲間を作るという発達課題に取り組むことが阻害されます。

このとき看護職は、その発達課題に取り組めないことによって小学生の患者の心にどんな影響が与えられるかを考えなければなりません。

この例では、「患者の感情が結果的に患者の安静を守れなくし、身体の症状の悪化につながってしまうということが起こらないようにすること」が看護職の役割です。

看護職は患者が健康問題に出会って不安や焦りなどの反応を示すのではないか、という視点を持ち合わせて対象を理解し、患者の自然治癒力が阻害されることを防ぎます。

それと同時に、患者が健康問題を抱えていても無事に発達課題に取り組めるように支援し、患者の質的変化が遂行されるように看護職は患者に働きかけます。

まとめ

まとめると、看護職者の役割は看護実践において2つあります。

ひとつは、患者が現在抱えている健康問題が発達課題にどのように影響しているのかを判断する役割を担います。

もうひとつは、患者が健康問題を抱えていても、本人自身が同調的・非同調的側面の両方のバランスをとりつつ同調的側面によって発達課題に取り組んで質的変化が達成できるよう患者を支援する役割を担います。

これらの役割を果たすために、看護実践における発達理論理解の意義があると考えられます。

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