社会の固定観念による刷り込み
性におけるアイデンティティは、社会に適応するため、親などの周囲との相互作用の中で確立していく。
親は子どもの外性器で子どもの性別を判定し、その性別に適した性行動として自身の固定観念を子どもに教えていくことになるため、多くの場合は親による性行動の刷り込みによって子どもの性が同一する。
性別の獲得
性役割取得の3段階
まず、人間の生物学的な性は育てられたときの性に由来するという意味の、性役割行動の取得である。
そのつぎに、性役割観を取得する。
そして最後の段階として、性役割の同一化を確立する。
性役割の同一化は、文化的規範、社会や個人の信念・態度、状況的・社会的習慣が関連して形成されていくと言われている。
とはいえ、このような性役割取得の段階があるものの、性のアイデンティティというのは性役割を取得しながら形成されていくものだ。
相互作用で社会に適応していく
これはMoneey.Jが提唱したことだが、性のアイデンティティや性役割は生後18ヶ月までに形成されていき、4歳半〜5歳までに分化・固定化するという。
例えば、男児が親などの「男だから」などという言葉によって周囲の期待を知り、それに応えていくという行動だ。
子どもは2歳くらいまでには自分が男なのか女なのか、ということを知るが、実はこのときにはまだ性別の意味は理解していない。
周囲との相互作用をつうじて、適切な行動の取り方を学習していくのだ。
このように、幼児期に、わたしたちは外界の生活にかなった性役割を取得し、社会に適応している。
このことに触れた理論として以下を参考にして欲しい。
生物学的特性と自己認知の一致が性同一
Sexとは生物学的特性を指し、Genderは社会学的性を指す。社会学的性は自己認知の性と言い換えられる。
これらがイコールでつながるとき、性同一であると言える。
逆に、そうでない場合には性不同一であると言える。
また、Sexとイコールでつながらない性不同一であるということの他の例として、脳の分化による性や性器区別による性がある。
このように、性同一とは、自分自身の男性・女性、または程度の差はあるが、両方の性をもった人間としての個別性の一致・調和・持続性のことである。
つまり、自己認知と行動を通して経験された性役割に基づいていると言える。
ここで注意したいことは、これらが必ずしも両極端に分けるっていうふうにいっていないということだ。
性同一では、自分がどのような性なのか、という自己認知が大切なのである。
まとめ
「男なんだから」「女なんだから」などという言いぐさがあるが、それらは「男性として」「女性として」のあるべき行動を決めている。
つまり、人の性行動というのは社会から、もっと言えば親や周囲の人の刷り込みからなっていくと言える。
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