※上の画像はAmazonより
この本はダニエル・デフォーという、 イングランドの作家の作品だそうです。
フランスのノーベル文学賞作家、 アルベール・カミュが 1947年に発表した長編小説『ペスト』 とは別なので要注意。
フェスタと言う感染症が流行した地域を 舞台にしているそうです。
これを読んで1番初めに思ったことがこれですね。
この時代はペストで、今の時代はコロナで、おそらく次の時代にはまた別のものが…
と、感染症の流行とそれに対する人々の同様の対応を垣間見て、歴史は同じことの繰り返しなんだなぁ、と。
また、この本を経験した筆者は自分の苦しみや疑問を執筆に昇華することで生き続けることができたのかもしれない、と感じました。
いつだって弱い立場の人がやられてしまうなかで、隣人愛というキリスト教の教えは、天国に行くという自己利益のために人助けをすることになり、それによって他者が助かるという皮肉を生んでるな、というのも私の読んだ感想のようです(読書記録アプリ「ビブリア」の感想欄にメモ書きしてありました)。
だって、裕福な人たちは、感染症が蔓延している町からさっさと脱出しているんですもん。
貧しい人たちは、逃走資金なんて余裕ないから、ひたすらそこで待つ。
運がいいことに、キリスト教が支持されている国だから、そういう貧しい人たちは助かる。
なぜなら、キリスト教の教えによれば、現世で他人にいいことをすると天国に行けるから(私の解釈です。仏教の輪廻転生みたいですね)。
「世の中は、助け合いや、そういうことの循環とかでうまく回っているものなのかもしれない」「自分の利益のために動くことが世の利益につながる…これがアダム・スミスの見えざる手なのか!」などと勝手に悟った心地になりました…笑。
それから、デフォーの生い立ちがなかなかハードでしたね。
神のご意志、、天職、、というプロテスタント的な考えがあったので、宗教が心の拠り所になることを知ることができました。
人間って変わらないんだな。いや、同じ社会制度のせいでそうせざるを得ないのか。生存本能のせいなのか。
そんなことも思ってみたり。
100分de名著はNHK出版のテキストです。およそ150ページくらいで 名作が読めます、と言う触れ込みです。
実際に読んでみて思う事は、要点がまとまりすぎ!原作はもう読まなくていいんじゃない?
ということ。忙しい合間に教養を身につけ、 視野を広めるには良いシリーズだとつくづく感じます。
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