先日、大学の先生にお誘いを受けて中学1年生の高齢者体験に参加した。
私の役割は、膝とお腹に道具を装着することだった。
せっかくだから、作家の如く、どんなことをしたか詳述してみたい。
私の身長は150cmに満たないため、中学1年生の大きさに圧倒されながら、座ったその子たちに道具を順に巻きつけた。
まずはお腹に、次に膝サポートが端についた紐を膝の上に乗っけるようにまっすぐ伸ばしながら、端の膝サポーターを下腿に巻きつけた。その上に膝の動きを抑制する別の膝サポーターを固定して、その子に首の固定サポーターをカチッとお腹に巻きつけた器具に差し込ませたら、終了だ。
この一連の作業を6回繰り返した。
はじめは手つきが不慣れで、中学生の体験時間を短くしてしまったが、後半になると中学生に手伝ってもらいながら効率よく実施できた。
人の手は借りるべきものだなぁ。とか思ってみる。
このイベントが始まる前から先生は「中学生は本当に元気よ。装具を付けたまま走り回るんだから」と話していたから、実際にそれを目の当たりにしても驚かなかったが、中学生のキラキラとした可能性に満ちた明るすぎる輝きには驚いた。
人はどうしてアイドルも顔負けの、この輝きを失ってしまうことが多いのか。
20代の私がいうのもおかしいが、中学生を前にすると、それくらいに自分が色褪せて感じられたんだ。
輝きに輝いてはいたものの、人間の特性は中学時代関係なくあるらしく、中学生たちにはやはりそれぞれの個性があった。
やることリストを黙々とこなしていく子、友達と「〇〇おばあちゃん!私はこんなにも早く歩けるよ!」などとはしゃぎながら腰と膝を曲げた状態で走る回る子など。
クラスごとにも「色」が見えるように感じるほど、雰囲気の違いがありありと感じられた。
これが先生たちが見ていた景色なのか!
自分も、先生たちの視点を知らずに、無邪気に過ごしていたあの中学生のような時期があったのだと、感慨深かった。
中学生たちの様子を見て過去の自分を思い出すことも面白かったが、同じ講義を数回繰り返す先生も面白かった。
同じテキストを使って、同じ内容を別々の人々に伝えていく。
あんなに音読してたら、そりゃいやでも教科書の内容を覚えられると思う。
先生の講義は同じ内容が複数回続いたが、回数を繰り返して行くにつれ、前回のクラスの講義では無かった文言が出てきたりして、先生も最初の方は余裕がなかったのかなぁ、などと思ってみたり。
私も先生みたいに、中学生って元気だなぁと思い続けられる大人になりたいな。
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