意識障害により周囲をゆがんで知覚し,異常な反応を示す意識変容の 1 つ
・全身状態悪化(熱傷,炎症,電解質異常,肝不全,腎不全など),身体的侵襲(手術,ライ ンやドレーン)や薬剤によって起こることが多く,入院患者で起こる代表的な精神科的問題
・不眠に引き続いて出現することが多い.ICU, CCU など 24 時間明るい環境で多い.
・夜間に悪化することが多く,ライン・ドレーン抜去,興奮,離院などを引き起こす
・日中はウツラウツラしていることが多い
・日中にも意識障害が残存し,失見当識や計算力低下などが確認できる
・脳波検査では,基礎活動の徐波化,異常な眼球運動
・通常は睡眠薬や眠気を呈する薬剤投与により悪化
・遷延化する
・睡眠薬が有効なのは軽症の場合のみ.
・眠気を引き起こしにくい少量の抗精神病薬や抗うつ薬が有効
・日中の高照度光療法も有効
初期は頭頂葉と側頭葉の萎縮が目立ち、次第に脳全体に萎縮が及ぶ。
それに伴い、記憶障害中心、失認・失行が出現する。
・初期は人格変化が主体で記憶障害は目立たない
・正常だった人が急速に不潔,怠惰でだらしなくなり,羞恥心を欠き,虚言,性的放縦,衝動行為,窃盗などの反社会行為に及んだりする
・性的逸脱行動や異食などの行動異常
・無頓着,不真面目,人を小馬鹿にしたような独特の 態度(考え無精)や,同じ内容の言葉が会話に繰り返し現れる滞続談話などが特徴的
・巣症状としての失語がみられることもある
・初期は知能スケールでは正常範囲のことが多い
前頭葉と側頭葉に限局した萎縮
・高血圧,高脂血症,糖尿病など動脈硬化を引き起こす疾患で多い。
・多発梗塞,白質障害,脳出血など血管障害によるものもあり。
階段状の進行で,脳梗塞の部位に応じた巣症状がある。
神経梅毒,日本脳炎,クロイツフェルド・ヤコブ病(CJD),エイズ脳症など
・脳腫瘍
・正常圧水頭症(シャント術により改善することあり)
・脱髄疾患(多発硬化症,脂質代謝障害による白質変性症)
・変性疾患(パーキンソン病,レビー小体型認知症(DLB),ハンチントン舞踏病,進行性核上麻痺など)
・頭部外傷後遺症
・その他、悪性リンパ腫など
・物盗られ妄想
・人物誤認
・帰宅妄想
・不潔行為(水洗トイレ・洋式トイレの使い方がわからず,汚物で家の中を汚す)
・失認・失行(運動障害がないのに複雑な行動ができなくなる。ボタンがはめられない,靴紐が結べない,服が着られないなど)
・人格変化
・行動異常(徘徊。脱水や横紋筋融解症を引き起こすまで徘徊することもある)
・せん妄、幻視、昼夜逆転
・最終的には寝たきり
・食べてくれなくなることあり
・簡便な知能スケール(長谷川式簡易知能評価スケール: HDS-R,ミニ・メンタル・ステート検 査: MMSE)
・CT,MRI などの脳画像検査
・SPECT,PET などの脳機能画像検査
アルツハイマー型認知症の初期で軽度改善や進行の抑制
少量の向精神薬。
転倒,嚥下性肺炎,イレウス(腸閉塞)などの副作用あり。
・わからせよう,しつけようとしない
・「物盗られ妄想」の際は本人と一緒に探し,本人に見つけ出させるようにする
・徘徊・迷子に関しては、近所の協力,連絡先を書いた名札,所在地がわかる PHSを利用
・家族だけで対処するのではなく,介護保険などを利用して負担を軽減する
・高額のものを次々と購入,財産をだまし取られるなどに対しては,成年後見制度を利用
1分以内
(発作終了後に数十分から数時間程度もうろう状態を呈することがある)
・発作後もうろう状態は「他の医学的原因によるせん妄」,
・てんかん精神障害は「他の医学的原因による精神病性障害」に分類する。
複雑てんかん
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